EMC2019サミットアンケート集計報告

Subject: Embedded Multicore Consortium News 2020-03-02 ET2019 & IOT2019併設セミナ 「組込みマルチコアサミット」実施結果のご報告: アンケート調査集計のご報告

 

年度末が近づき慌ただしい季節になってまいりました。

 

おかげさまで昨年11月には第6回になります組込みマルチコアサミット(EMS2019)を成功裏に開催できました。今回も170名の参加があり、ご来場いただいた方には御礼申し上げます。EMSでは毎回マルチコア利用に関するアンケート調査を実施しており、その中からいくつかのデータを紹介させていただきます。

 

まずはご来場いただいた方々の「想定アプリケーション」です。左側が今年(2019)、右側が昨年(2018)の結果です。 

  講演内容は車載関係が多数ありましたが、組込み分野においてマルチコアが幅広く普及しており、多くの分野の方がEMSにご来場いただいていることがわかります。

 

 次は「マルチコアへの期待」です。同様に左側が今年(2019)、右側が昨年(2018)の結果です。

 今回は「性能」が増加し、「システム統合」が減少しております。昨今の、組み込み分野のインテリジェント化傾向による性能向上への期待感が見えてきます。

 

 最後に「マルチコアのソフトウェアの課題と考えているもの」です。同様に左側が今年(2019)、右側が昨年(2018)の結果です。

 

 

 例年、a「コア数の増加をアプリケーションが意識しなくてもよい実行環境/開発環境」が最も多く、その傾向はアンケートを取り始めた頃から変わっていません。ただし、2017年は23%であったことを考えると、徐々に環境整備が進み、より具体的な項目に移行している傾向がうかがえます。今回からm「性能が出ない」を加えましたが、マルチコア上へのソフトウェア搭載、構築の方が主要な課題と認識されている状況が見られます。

 

 複数のプロセッサを効果的に利用するためには、各種メモリへのデータ配置やアクセラレータ利用などのハードウェア特性を考慮しながら、システム設計段階から並行性を意識する必要があり、ベンダ間の垂直連携が重要になります。

  

 組込みマルチコアコンソーシアム(EMC)では、協調的な垂直連携を容易にし、エコシステムを構築することを目指しています。そのために、今般IEEE標準となったシステム・ソフトウェアから利用可能なハードウェア抽象化記述SHIM(IEEE2804)や、マルチコア向け設計ガイドの作成などを行っています。

 

 これからもEMCをご支援いただきますようお願い申し上げます。

  

 組込みマルチコアコンソーシアム会長 

 枝廣 正人(名古屋大学大学院情報学研究科)

 

                    発信元/問い合わせ先

                    組込みマルチコアコンソーシアム(EMC)事務局(ガイオ・テクノロジー内)

                    emc-info@embeddedmulticore.jp